はじめに
当社では日々の業務に加えて、社員一人ひとりがスキルアップに取り組む文化を大切にしています。中でも国家資格である「基本情報技術者試験」は、エンジニアとしての基礎力を測る重要な試験のひとつ。受験を通じて知識の整理や業務理解の深化につながると多くの社員が感じています。

今回は、2025年3月にこの試験に見事合格した入社3年目のN.U.さんに、実際の勉強方法や試験当日の様子、学習の工夫などを詳しく語ってもらいました。社会人として忙しい中でもコツコツと努力を重ねた体験は、これから資格取得を目指す方にとって大きなヒントになるはずです。
それでは、N.U.さんのリアルな体験記をご紹介します。
社員体験記
学習開始のきっかけ
2025年1月頃から、「今年こそは基本情報技術者を取得しよう」と決意しました。日々の業務の中でIT知識の幅を広げる必要性を感じていたこと、そしてキャリアの基盤として資格を持っておきたいという思いがありました。
2月末頃からは本格的に学習ペースを上げ、仕事後や休日を中心に取り組みました。
使用した教材と勉強スタイル
主に使った教材は以下の4つです。
- キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
- 情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]
- 基本情報技術者ドットコム「過去問道場」
- YouTube動画:アルゴリズム問題を1本で対策
最初は「キタミ式」を読み進めながら章末問題を解くところからスタート。
ただ、範囲が非常に広く、読破に時間がかかるため、途中からは「過去問道場」を中心に学習を切り替えました。過去問を繰り返し解くことで出題傾向をつかみ、苦手分野をピンポイントで補うことができました。
学習時間と工夫した点
2月中旬までは平日・休日ともに1〜2時間のペースでしたが、2月末以降は平日4時間・休日8時間と大幅に増やしました。社会人にとって勉強時間を確保するのは容易ではありませんが「スキマ時間の活用」がポイントでした。
たとえば、通勤電車の中ではスマホで過去問道場を解き、昼休みには理解が曖昧な箇所を復習。夜は自宅で苦手分野をまとめノートに整理し、週末に通しで模試形式で解く——そんなサイクルを1ヶ月ほど続けました。
特に「過去問道場」はスマホ1台で手軽に学習できるため、忙しい社会人にとって非常に便利だと感じました。
苦戦した分野と対策
一番苦労したのは、やはり財務会計系の問題です。普段の業務では触れる機会が少ないため、理解に時間がかかりました。ここはYouTubeの解説動画を活用し、簿記や原価計算の基礎を押さえてから再挑戦することで、徐々に得点源に変えることができました。
また、アルゴリズム問題も最初は難しく感じましたが、動画で手順を視覚的に理解すると一気に突破口が開けました。文字だけで学ぶより、動きを見た方が理解が早いと実感しました。
試験当日の様子
試験はテストセンター方式で実施。落ち着いた雰囲気の中で受験できたのは良かった点です。
科目Aは90分で60問あるため、1問に時間をかけすぎないことが重要。分からない問題は一度スキップし、最後に見直す戦略を取りました。
また、私の会場では電卓が使えなかったため、手計算の練習を事前に行っておくことをおすすめします。焦って計算ミスをすると時間を失うので、手慣らしは大事です。
結果と得られたもの
試験を終えたときは「落ちたかもしれない」と思いましたが、合格発表で自分の番号を見つけた瞬間は本当に嬉しかったです。社会人になると勉強の優先順位を下げがちですが、「少しずつでも続けること」が何より大切だと感じました。
また、資格取得が配属先面談や評価の場面でプラスに働いたこともモチベーションになりました。基礎力を証明する資格として、自信をもって業務に臨めるようになったと思います。
これから受験する方へ
基本情報技術者試験は、IT業界で働くなら誰もが通る登竜門のような資格です。難易度よりも範囲の広さに苦戦する人が多いと思いますが、過去問を繰り返すことで確実に力はつきます。
まずは自分の弱点を把握し、「苦手→得意」へと変えていく流れを意識してください。そして何より、忙しい中でも継続する仕組みを作ることが大切です。
やってよかったこと
- 科目A:過去問道場の徹底活用
- 科目B:YouTubeのサンプル問題で傾向を把握
やらなくてもよかったこと
- 最初に参考書を無理に一周読み切ること
- 苦手分野を把握してから、必要な章を重点的に読む方が効率的です。
まとめ
N.U.さんの体験記から伝わってくるのは、「時間がない中でも工夫すれば必ず成果が出る」という前向きな姿勢です。システム開発の現場では、新しい技術や概念が次々と登場します。だからこそ、基礎を学び直す姿勢や自己成長への意欲が、長く活躍するエンジニアにとって何よりの武器になります。
当社では、資格取得やスキルアップを支援する制度を今後も整え、社員一人ひとりが成長できる環境づくりを続けていきます。これから受験を考えている皆さんも、N.U.さんの体験を参考にぜひ挑戦してみてください。
