
システムエンジニア視点で振り返る「AI博覧会 Spring 2025」
2025年3月27日と28日の2日間、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された「AI博覧会 Spring 2025」に参加しました。本記事では、イベントの詳細や各種セミナー、展示ブースでの体験を通じて得た最新のAI技術や業界動向について、詳しくご紹介いたします。
イベント概要
「AI博覧会 Spring 2025」は、AI・人工知能に焦点を当てた最先端の展示会で、AIの社会実装に向けた最新技術やサービスが一堂に会する場です。主催は株式会社アイスマイリーで、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)や一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)など、多くの団体が後援しています。会場には約80社が出展し、生成AI、LLM、RAG構築、ファインチューニング、マルチモーダルAI、ChatGPT連携など、多岐にわたるAIソリューションが紹介されました。
展示ブースの見どころ
会場内は多くの来場者で賑わい、各ブースでは最新のAIサービス約200製品が展示されていました。特に、生成AIや大規模言語モデル(LLM)の活用事例が目立ち、ビジネスへの応用可能性を強く感じました。例えば、あるブースでは、ChatGPTを活用したカスタマーサポートの自動化ソリューションが紹介されており、実際のデモンストレーションを通じて、その高い応答精度と自然な対話能力を体験することができました。また、画像生成AIを活用したクリエイティブ制作の効率化ツールも展示されており、デザイン業務の革新に向けた具体的なアプローチが示されていました。
カンファレンスでの学び
各種セミナーも開催され、AIの専門家たちによる講演が行われました。初日には、株式会社Preferred Networksの岡田利久氏が「進化する生成AIと国産生成AI基盤モデルの活用」というテーマで講演を行い、最新の生成AI技術とその応用例について詳しく解説されました。また、Notion Labs Japan合同会社の西勝清氏は「AIエージェント時代の業務改革とNotion」というテーマで、AIエージェントを活用した業務効率化の具体的な手法について紹介されました。これらの講演は満席となり、AIへの関心の高さが伺えました。

具体的な展示内容と体験
01
生成AIのビジネス活用
多くのブースで生成AIのビジネス活用に関する展示が行われていました。例えば、ある企業は、文章生成AIを活用したライティング支援ツールを紹介しており、実際にその場で文章を入力すると、AIが自動的に文章を補完・修正するデモを体験しました。これにより、ライターや編集者の作業効率が大幅に向上する可能性を感じました。
02
画像認識技術の進化
画像認識技術に関する展示も多く見られました。特に、最新の顔認証システムや物体検出技術が紹介されており、セキュリティ分野や小売業界での応用が期待されます。実際にデモンストレーションを体験し、その高い精度と速度に驚かされました。
03
AI-OCRと文書管理
AIを活用したOCR(光学文字認識)技術も注目の的でした。手書き文字や複雑なレイアウトの文書でも高精度でデジタル化できるソリューションが展示されており、業務効率化やペーパーレス化に向けた強力なツールとなり得ると感じました。
04
ネットワーキングと交流
イベント中、多くの出展者や来場者と交流する機会がありました。同じくAIに関心を持つプロフェッショナルたちと情報交換を行い、最新の業界動向や課題について深く議論することができました。これらのネットワーキングを通じて、新たなビジネスチャンスやコラボレーションの可能性を見出すことができ、大変有意義な時間を過ごしました。
まとめ
2日間を通じて、AI技術の進化とその社会実装の加速を肌で感じることができました。特に、生成AIや大規模言語モデルのビジネスへの応用可能性、画像認識技術の進化、AI-OCRによる業務効率化など、多くの分野での革新が進んでいることを実感しました。今後のシステム開発において、これらの最新技術をどのように取り入れていくかが重要であり、引き続き情報収集と学習を続けていきたいと考えています。